第17回むさしの教育フォーラムの報告

令和6年1月27日に、「子どものやりたい!を実現する学校づくり~子どもが意見を述べ、参画する学校を目指して~」を教育フォーラムを開催しました。当日は、市内の教員や保護者など、発表者を含めて84名の方々にお集まりいただきました。

以下、概要をお伝えします。

 

《第1部》 事業説明・実践報告

(1)第五小学校「子どもの願いをかなえる学校行事の創造」
→第6学年による武蔵野市民科と学校行事(展覧会)のコラボレーションの取組。
→これまでの運動会等の振り返りを基に、「これまで以上に人の心を打つ展覧会にしよう!」をテーマにインタビューや調査活動を行い、取組を決めていった。(映えスポット、協働作品づくりなど)
→子どもの感想で「運動会や学芸会よりやり切った」という声が聞かれた。

 

(2)関前南小学校「関前スタンダード改訂の取組、『環境問題』への取組」
→学校で子どもの「こうしたい!やってみたい!やってよかった!」のサイクルを大切にしている。
→子どもや教員の振り返りを基に、関前スタンダードの改訂を進めた。改訂は児童会議で進めた。
→児童会議を支える活動として、各学級での学級会の話し合い活動の充実を全校体制で行ってきた。
→6年生の武蔵野市民科では、環境問題について自分たちに何ができるかを考え、第五中学校で行っているポスターセッションを見据えて発表準備を進めた。
→発表はコミュニティセンターで行い、保護者だけでなく地域や中学校の教員にも参加してもらった。

 

(3)第六中学校「標準服のきまりの緩和」の取組(生徒会役員の皆さんによる発表)
→二代前の生徒会長が公約に掲げたことがきっかけ。教員と話し合ったが、「標準服は既に各家庭で買っており、いきなり変えることは難しい」ということだった。
→そこで、お試し期間をつくり、取り組んでみての感想を生徒会アンケートで募った。
→結果として、「今回のように緩和してほしい」という声が多く、生徒や保護者に向けたお便りづくりなども行い、形にしていった。
→取り組んでみて、既にあるきまりを変えることの難しさを感じた。自分たちの思いだけでなく「なぜそのルールがあるのか」等、様々な立場の考えを知ることが大切だと気付くきっかけとなった。

 

《第2部》 パネルディスカッション「子どもの『やりたい!』を実現するためにできること」

○子どもの参画を進めるには、第一段階で意見を述べることが大切だ。学校であれば、学校行事などでやれるのではないか。子ども時代のよい思い出、成功体験が自発性を育て、20年先につながっていく。

Q意見がなかなか言えない人にはどうしたらよいだろうか。
→学校行事などで教師がファシリテーターに努めていけば、意見が言いやすくなるのではないか。対話をしていく大人の仕掛けが大切になる。

Qきまりの改訂などは自分たちが思った通りに変わらないことがあると思うがどうか?
→職員会議に案を出している先輩の姿、会議の中で先生たちが心配な部分を言う姿も見てきた。両方の意見をしっかり聞いて、「ここだけは実現したい」という部分を説得するというのが大切だと思う。
→合意形成は本当に大切だ。「色んな人が言っていいのだ」「伝えていいんだ」という場をつくることがまず大切だ。

Q相談がしやすい先生ってどんな先生だろうか?
→フレンドリーでいつも笑顔の先生、関わる時間が一番多い先生が話しやすい。
→話せる場をつくることが大事だと思う。先生と子どもが交流できる場所、例えば一緒にお茶を飲むスペースとかがあってもよい。

○中学生として、色々なことを聞いて勇気が出た。これからも分からないことは先生たちに教えてもらいながら、中学校や地域をよりよくするために頑張っていきたい。

 

《参加者の意見の一部》

○中学生の生き生きとした姿を見て、主体的な学びの成果を見た気がしました。先生、頑張っていますね。自分のイメージに囚われていることに気付かされました。教育は古くて、変わっていないという前提で考えていることを思い知らされました。中学生の発表も素晴らしかったです。
○どこの学校もそれぞれに素敵な取組をしていて、これが広がっていくといいと感じました。そのためには、教師側のチームワークと受け入れる姿勢も大切だということを感じました。
○子どもの自由な発想を大事にすることと、より良い成果を出して達成感を味わわせることのバランスが難しいと、日々感じます。「大人のしかけ」「大人からの声かけ」が非常に大事になってくる気がします。

 

更新日:2024年02月27日 17:19:35